2014年1・2月


猛獣の領域 〜極東の水辺を行く〜
2014年1・2月









2014


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2014  2 27 日(木)


傑作 ―― 鮒寿司
ニゴロブナ料理 鮒料理




鮒寿司。近江名物の発酵食品。

琵琶湖産のニゴロブナを材料に
した なれずし。


この鮒寿司は、いただきもの。

ある鮒寿司品評会で最高位の賞を
授与されたという逸品です。


早速、切り分けて、盛り付け。

せっかくの品なので、松竹梅を
あしらう。


早速、味見。

尖鋭的な匂いはなく、むしろ、
柔和な雰囲気。

そして、上品な味わい。

この素人の舌でも、それが円熟の
域に達した ただならぬものである
ことは 分かる。


評価
・完成度 ★★★★★
・盛り付け ★★★★☆
・上品さ ★★★★★
・子供の受け ★★★☆☆
・味わい ★★★★★
 総合判定 ★★★★☆


今回も 高得点であります。

ごちそうさまでした。



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2014 年 2 21 日(金)


菅笠縫い ―― 谷川澤邊の村





雪の山中を歩く。岐阜県 神岡にて。

この谷の上流にある 小さな村を
訪ねる。

住む人が もう いない村だけど。




村の中心地




消防団詰所


村があったのは、ほんの少しだけ
開けた 谷沿い。

明治の初め頃は、この場所に
70
ほどが 暮らしていたという。


この村でも 稲作が行われていた
けれど。

近くの村と違って、収穫されて
いた穀物の内訳は、米より稗の
割合の方が ずっと大きかった。

今なお、雪深い場所。
暮らしは、楽ではなかったはず。

それでも、産土神が祀られていて、
折々の祭礼を きっと楽しみながら、
人々は 暮らしていたのだろう。

ただ、往時のことを尋ねようにも、
尋ねるべき人が もう いない。





ずっと昔、人がいなかったであろう
この場所に 人が定住し始めた。

きっと、数多の喜怒哀楽が生じた。

そして、今、人がいない場所に戻り
始めた。


まだ、人がいない場所に戻り始めて
間もないのに。

ここに あったはずの喜怒哀楽は、
もう すっかり消えている。

これが、人がいなくなるということ
なのか。






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2014 年 2 14 日(金)


余寒 ―― 氷





知らないうちに 水際にできて
いた 不思議な雰囲気の氷。

規則性のある形ではないけど、
驚くほどの透明感。

そして、研磨していないのに、
角のない なめらかな表面。





こんな氷を見つけたのは、偶然のこと
だったけれど。

きっと、この時の この場所に条件が
そろっていたからこそ、必然のものと
して形成されたのだろうけど。

それを、偶然と表現するのも、必然と
表現するのも、どちらも 無粋。

言葉が見つからない。


言葉の限界ではない。

凡人の表現力の限界だ。

そう思って、削がれるような感じが
した。

何に勝てばよいのか分からないし、
何を求めればよいのかも分からない。

分からないまま。

小さな氷を前にして、敵わないし、
叶わないままだ。






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2014  2 10 日(月)


新作 ―― やまとしじみと あまごの
      桃色クラムチャウダー
ヤマトシジミ料理
アマゴ料理 蜆料理



たぶん、この星で初めての一品。

やまとしじみと あまごの 桃色
クラムチャウダー。


薄紅色というか、真っピンクと
いうか、子供だまし色というか。

心躍る色のクラムチャウダー。

当の ヤマトシジミも アマゴも、
こんな色の料理にされようとは、
きっと、思いもよらなかったに
ちがいない。


着色料は 不使用。

秘伝というか、非伝の方法により
食材だけで実現させた色。

ピンクカレーや 桜色シチューの
調理では、ビーツという赤紫色の
食材を使うのが 一般的だけど。

今回は、そのビーツを使うこと
なく、この発色に成功しました。


おそるおそる 味見する。

… 川魚料理離れした 見慣れない
その色に不釣合いな、平穏な味。

でも、満足。





評価
・新規性 ★★★★★
・川魚料理らしさ ★★★☆☆
・色と味との
  調和してなさ
★★★★☆
・色合い ★★★★★
・味わい ★★★★☆
 総合判定 ★★★★☆


今回も 高得点であります。

ごちそうさまでした。



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2014 年 2 6 日(木)


どんぶらこっこ ―― 笹ヶ瀬川





岡山市の笹ヶ瀬川

宅地化の進んだ郊外の川。

ぱっと見た目は、取り立てて 特徴は
ないけれど。

この笹ヶ瀬川こそ、かの「桃太郎」で
おばあさんが洗濯に行った川、そして、
大きな桃が流れてきた川であるとも
いう。


まあ、このあたりではなくて、もっと
上流の方での話だろうけど。

ここは、淀んでいて、桃が どんぶら
こっこと流れてくる雰囲気はない。









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2014 年 2 2 日(日)


時間の色と形 ―― 禍誤除けの滝





禍誤除けの滝。長野県 喬木村にて。

以前は、加護受けの滝と呼ばれて
いたこともあるという。

天竜川水系 小川川の上流にあたる
矢筈洞にある滝。


このあたりは、雪は多くないものの、
冷え込みは厳しい。

完全な凍結ではなかったけど、滝が
かりんかりんに凍っている。




あちこち凍った 矢筈洞





凍っているのは、滝だけではない。

川も 斜面も あちこち凍っている。

遊歩道も ところどころ凍っていて、
楽しげに歩ける状態には 程遠い。




もし踏み外せば、無停止で 凍った滝へ







大方凍った矢筈洞




千畳岩の滝







禍誤除けの滝


乾いた岩肌を背景にした氷瀑。

雪が少ない分、氷の青白さが引き
立っている。


水辺とは思えぬ、それでも 歴と
した 水辺の風景。

冬だけが なしえる技巧。

春にも 夏にも 秋にも、水を氷に
変える力はない。

他のどの季節とも異なる風景。

これも 時間の色と形のひとつ。






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2014  1 25 日(土)


試作 ―― しらうおの漬け丼
白魚料理 シラウオ料理




しらうおは、はらわたを取る必要も
三枚におろす必要もない魚。

そのまま調理すればよいし、丸ごと
食べることができる。

そして、初めから細造りにしてある
ような形状の魚。

刺身たるもの、時に、漬けたれに
浸ることも必要である。

こうした希薄な動機で、しかし、
おそるおそる、生の しらうおを
漬けにしてみました。


色合いは 今ひとつだけど、手軽に
漬けにすることができた。

しらうおの漬け丼が完成。
薬味は、浅葱・大葉・ゆずの皮。


彩りにと思って添えただけの ゆず
だったけど。

かすかに ほろ苦い 生しらうおと
そのゆずが 意外なことによく合う。

おいしい。

これなら、また食べたい。


評価
・新規性 ★★★★★
・調理の手間の
  かからなさ
★★★★☆
・色合い ★★★☆☆
・ゆずとの相性 ★★★★★
・味わい ★★★★★
 総合判定 ★★★★☆


今回も 高得点であります。

ごちそうさまでした。



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2014 年 1 20 日(月)


そがれる風景 ―― 小川と原っぱ





湧水の小川

ある大都市の一隅に存在する水辺。

地理的には近いけれども、市街地の
雑踏の雰囲気とは、大きくかけ離れた
風景。


忘れられたような 原っぱの中にある
特徴の乏しい場所から、思い出した
ように 水が湧いている。

そんな湧水が いくつか合わさって、
小川になっている。







湧出口





ここは、奇跡的に残っている、しかし、
辛うじて 残されているだけの 小川と
その水源域。

たぶん、この市内で唯一かつ最後の
存在となってしまった湧水の小川。


ただ、要否や善悪はさておき、この
あたりでも、区画整理が進められて
いるという事実がある。

原っぱの向こうでは、重機が入り込み、
工事が行われている。





ここは、公園として残す計画が
あるとも ないとも聞く。

その計画があるとしても、それは
小川の周辺までしか 残さないと
いうことである。

この風景が この風景のままで存続
できないということである。


絵に描いたような 小川と原っぱ。

失われることになった風景。





ここに わたしの居場所は ないけれど。

ここを造成してできるであろう宅地や
商業施設の中にも、きっと、わたしの
居場所はない。

それらは、孤独であることは同じでも、
同じ孤独ではない。

どうせ 孤独であるのなら、この風景の
中にいる自分を選びたい。

ああ まだ真っ当だと、それで思える。



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2014 年 1 13 日(月)


凍結 ―― 氷





寒い日。

近所の水路で見つけた氷。


絶えず 流れ続ける水と、凍って
留まる水。

同じ素材でできているというのが
ときどき 分からなくなる。


あんまり 成長していない。

それでも、まあ、それで いいや。






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2014  1 7 日(火)


良作 ―― さくらますの七草がゆ
桜鱒料理 サクラマス料理




1週間ほど前に 新年が明けました。
本年も よろしくお願いします。

今年最初の品は、さくらますの
七草がゆ。

相も変わらず、特に理由も動機も
なく、こんな組み合わせにして
みました。


ほんのりと塩のきいた さくらますの
ほぐし身。春の七草が よく合う。

素朴な雰囲気の一品だけど、なかなか
ぜいたくな取り合わせ。


評価
・新規性 ★★★★★
・炊き加減 ★★★★☆
・素朴さ ★★★★★
・奇抜さ ★★★☆☆
・味わい ★★★★☆
 総合判定 ★★★★☆


今回も 高得点であります。

ごちそうさまでした。



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