2013年11・12月


猛獣の領域 〜極東の水辺を行く〜
2013年11・12月









2013


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2013年11・12月
< 古い方  新しい方 >





2013 年 12 30 日(月)


鑄 ―― 風日祈宮御橋





伊勢神宮。皇大神宮(内宮)の別宮の
ひとつ、風日祈宮。

その参道に 風日祈宮御橋という木橋が
ある。

五十鈴川の支流 島路川に架けられて
いる。




島路川


かつては、この島路川が 五十鈴川
本流として扱われていたという。

風日祈宮御橋という名称は 後世に
なって付与されたものだそうで、
元の名は 五十鈴川御橋とのこと。





橋の欄干には、擬宝珠が8
据えつけられている。
葱台

それらの擬宝珠は、同じものかと
思っていたけれど、意匠が揃って
いない。
葱花型金物

8基のうち 東側の欄干の4基は、
同一のようだけど、いずれにも
銘が入っておらず、いつ頃に製作
されたものなのかは 分からない。

一方、西側の欄干の4基には 銘が
刻み込まれている。


そのうち3基は、嘉永6
年に奉納
されたものとのこと。





嘉永6年(1853年)は、今から
160年前。

ひいひいひいひいおじいさんや
ひいひいひいひいおばあさんか、
その前後の世代が暮らしていた頃。

それから、黒船来航の年。


残る1基は、西側の欄干の南端に
据えつけられているもの。

他の7基の 古めかしい擬宝珠より、
なお 古めかしい。

鋳造方法や成分が 他と異なるのか、
独特の質感と色合いの擬宝珠。








表面には、味のある流麗な書体で
「五十鈴川御橋
 明應七年」と
刻み込まれている。

明應7年(1498年)というと、
今から 515年前。

それが どういう年だったのか、
せいぜい 絵に描いたような想像
しかできないくらい ずっと前。

でも、この擬宝珠は、その偉大な
古さを ことさら 誇示しようとも
せず、木もれ日の中で もの静かに
たたずんでいる。


今もなお、この橋の重要な部材の
ひとつとして 実際に使用されて
いることが うれしい。

85年後の 2098年、600周年という
節目の年に、その姿を ここで 再び
見たいものです。





今年は、これが 最後の更新です。

来年も 低い速度で更新を進めます。
引き続き、お付き合いください。


よいお年を。



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2013  12 22 日(日)


試作 ―― やまとしじみの担担麺
ヤマトシジミ料理 蜆料理




やまとしじみの担担麺(肉なし)。

本来なら、肉そぼろを搭載するべき
ところだけど。
担々麺

肉そぼろの代わりに、大した理由も
明確な動機もなく、やまとしじみの
時雨煮を搭載しました。



それから、見た目は 担担麺のスープ
だけど、実は やまとしじみの だしで
作ってある。

見た目と一致しない、意外な味わい。

ますます 担担麺ばなれした一品。


遠目に見れば、担担麺そのもの。

しかし、担担麺であって、担担麺では
ない一品。

八百万の神々の中に 担担麺の神様が
いたら、叱責されそうな一品。


評価
・新規性 ★★★★★
・担担麺にした
  動機のなさ
★★★★☆
・しじみ料理っぽさ ★★★☆☆
・肉っ気のなさ ★★★★★
・味わい ★★★★☆
 総合判定 ★★★★☆


今回も 高得点であります。

ごちそうさまでした。



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2013 年 12 17 日(火)


華氏
38度の沢川 ―― オショロコマ





オショロコマが生息する小さな川。
北海道の山奥にある川。

長い冬。まだ 始まったところ。


雪が積もって、川の周囲の林床の
色は、雪が積もる前よりも むしろ
明るくなった。

その雪の白さが、かえって 川の中を
暗く見せる。

一層 寒々しく見える。





水温は 3度。

オショロコマは、この国で最も寒冷な
地域の川に生息する魚のひとつ。

そんなオショロコマであっても、これ
ほどまで 水が冷たいと、活性は低く、
食欲も低下しているという。

流れの ゆるやかな場所で、日がな一日
大して動かずに、ぼーっと過ごしている
らしい。






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2013 年 12 10 日(火)


燗 ―― 川俣温泉の間欠泉





利根川水系 鬼怒川の上流部。
栃木県 栗山の川俣温泉にある間欠泉。

川ぞいの岩壁が、時おり、思い出した
ように 熱湯を噴き上げている。


燗を付けるのに十分な熱量がありそう
だけど、徳利を片手に 近づくことが
できるような場所ではない。

だいたい、そこに たどり着いて、燗を
付けることができたとしても、徳利など
他愛もなく飛ばされるに ちがいない。






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2013 年 12 4 日(水)


エリホネ ザコネ ―― 境川





千葉県 浦安市の境川。

旧江戸川から分かれて、東京湾に
流入する 短い川。

その名は、かつて川の左右にあった
堀江村と猫実村との境だったことに
由来するという。







旧 大塚家住宅





猫実も 堀江も、元々は 半農半漁の村
だったとのこと。

今は すっかり住宅地に変わっていて、
当時の風景は ほとんど残っていない。


ここは、かの 車寅次郎氏が わずかな
間ながらも滞在した 由緒ある場所。

もっとも、その寅次郎氏が訪れた頃の
面影ですら、消えかけている。


それでも、境川は、辛うじて 残って
いる。辛うじて 残されてきた。

この国の首都は、空も 地も 水面も
切り取り続ける 巨大な装置。

その首都の直近にあるのに、ここに
川が残存していること。

たぶん、驚くべきことだ。

そして、頼りないことではあるけれど、
それが救いでもある。







旧 浜野医院






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2013  11 29 日(金)


意欲作 ―― 生ししゃも丼
シシャモ料理 本シシャモ料理
本柳葉魚料理



北海道 釧路産のシシャモ。
本シシャモ
幸運にも、干物になる前の生の
シシャモが手に入りました。


三枚におろして、ぜいたくにも
半身を 厚切りにして、豪快に
丼のご飯の上に盛り付ける。

仕上げに浅葱を 少々散らして、
貴重な 生ししゃも丼の完成。

わーい。





おいしいけれど、実は、ものすごく
小さな一品。

食べごたえのなさは、群を抜いて
いる。


でも、それでいい。

その文字通り、細かいことを 気に
するものか。


評価
・新規性 ★★★★☆
・作る手間 ★★★★☆
・ボリューム ★★★☆☆
・食べごたえの
  なさ
★★★★★
・味わい ★★★★★
 総合判定 ★★★★☆


今回も 高得点であります。

ごちそうさまでした。



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2013 年 11 24 日(日)


ルクニワ カラタッヨマ ―― 土岐川





土岐川。岐阜県の瑞浪にて。

山あいから人里へと流れ、いくつかの
町の中を通る川。

県境を越え、下流の愛知県の平野部に
入ると、庄内川という名に変わる。








この辺りは「四十九日のレシピ」の
撮影が行われた場所
映画 ロケ地

なだらかな山に縁どられた 広い空。

その下を流れる川。静かな町。


朝も夕方も、それに 昼下がりにも、
穏やかな風景が広がる。

土岐川は、ゆっくりと、しかし、
留まることなく 流れ続けている。














この背に翼はないから、地べたの上で
生きてゆく。

秀でた立場ではないし、優れた力は
持っていない。

そこにある日常と普通の中で、凡人の
限界を確認することが、凡人の使命
なのかな。


「四十九日のレシピ」の舞台となった
川沿いを歩きながら、このありふれた
風景の中から あんな趣きのある場面を
いくつも よく見つけたものだと思った。

単純なものなのに、形にして示される
まで、気付くことができない。

地べたで生きているのに、足元すら
見落としている。


特別な存在には なれないけれど。

日常の中から、普通の中から、特別な
ものを見出す力を培いたい。






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2013 年 11 19 日(火)


小六月 ―― サケ





海から川へ遡上してきたサケ

雌の左右と後方に 雄が計
3 個体。

産卵直後なのか、雌は 卵を産んだ
らしき地点に砂利をかけている。

今は落ち着いた様子だけど、産卵の
時まで 雄は 雌をめぐる争いで 噛み
あったようで、どの雄も 背中が白く
傷ついている。





身をかがめて ゆっくりと接近して、
すぐそばで サケを観察する。

普段の川では 見かけることのない、
見ごたえのある大きな魚 。


風のない 穏やかな日。

サケには恐縮だけど、そのサケを
眺めながら、ぼーっと過ごす。







サケと その産卵床


何の変哲もない川に サケが遡上し、
そして、産卵している。

今の季節だけの、しかし、毎年 見る
ことができる ありふれた光景。

この日常のものが、日常であるべき
ものが、非日常になりませんように。






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2013  11 15 日(金)


秀作 ―― もくずがにピザ
モクズガニ料理 川蟹料理




モクズガニ。

川蟹・つがに・づがに・ずがにといった
方言で呼ばれる カニ。

相も変わらず、大した動機もないまま、
それを使って ピザを作ることにした。


茹で上がった 1 個体を 徹底的に分解。

身と味噌と内子を ばか丁寧に取り出す。

脚だって 1 節ずつ 包丁で縦に割って、
ピンセットで 身を外しました。


やっとの思いで準備した 身と味噌と
内子を ピザに搭載。

焼き上がる頃には、とっくに 1 時間が
過ぎていた。


ようやく完成して、疲れ気味で 味見。

… なんと、これが 期待を超える味。
滋味あふれる一品。

非常に美味!

でも、もう こんなに手間がかかるもの、
作ることはないと思う。


評価
・新規性 ★★★☆☆
・モクズガニを
  選んだ理由のなさ
★★★★☆
・手間のかかり具合 ★★★★★
・焼き加減 ★★★★☆
・味わい ★★★★★
 総合判定 ★★★★☆


今回も 高得点であります。

ごちそうさまでした。



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2013 年 11 10 日(日)


りっとう ―― イワナの雌雄





産卵間近のイワナ。

産卵床となる川底の砂礫を掘る雌の
斜め後ろに、雄が寄り添っている。


ここ極東の島国の渓流では、毎年この
時期に見つけることができる 当たり
前の光景。

この当たり前の光景が、
100年の後の
世でも、当たり前のものであります
ように。









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2013  11 4 日(月)


上作 ―― もろこの南蛮漬け
スゴモロコ料理




もろこの南蛮漬け。

琵琶湖産のモロコ。
スゴモロコだと思う。たぶん。

素焼きにして、刻んだ野菜とともに
甘酢に馴染ませてある。

目新しさはないけれど、手堅くて、
何より おいしい一品。


評価
・新規性 ★★★☆☆
・まともさ ★★★★★
・奇抜さ ★★★☆☆
・出来映え ★★★★☆
・味わい ★★★★★
 総合判定 ★★★★☆


今回も 高得点であります。

ごちそうさまでした。



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