2012年7・8月


猛獣の領域 〜極東の水辺を行く〜
2012年7・8月









2012


~ 8 ~

N G K S M K D
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31


~ 7 ~

N G K S M K D
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 32

2012年7・8月
< 古い方  新しい方 >





2012 年 8 28 日(火)


繊細 ―― オニバス





極東の島国の沼で見つけたオニバス。

波のない穏やかな水面に かわい気のない
巨大な葉が いくつも浮かんでいる。

細かいことは気にしないと言うかのように、
巨大かつ武骨なデザインの葉が 無造作に
重なって浮かんでいる。





花は 薄紫色。

その葉の大きさと対照的に小さな花

ただし、鋭角が多く、清楚という雰囲気
ではない。


花は、葉の表面から分岐して直立して
いるように見えるけれど。

水底付近から伸びた茎が 葉を貫通して
水上に 開花させているとのこと。

細かいことは気にしないという姿勢を
ここからも感じさせる。





巨大で武骨な葉。小さくも尖鋭的な花。

際限なく広がっていきそうな 図太そうな
印象のある植物だけど。

環境改変には弱いのが実情で、池や沼の
改修によって
ずいぶん減っているという。


この植物の変てこさを子々孫々と共有する
ためにも。

自生地の保全が望まれる。



Category いきもの Comment (0)  Track back (0)






2012  8 25 日(土)


意欲作 ―― ぬまがれいの煮こごり
ヌマガレイ料理 沼鰈料理
カワガレイ料理 川鰈料理



ぬまがれいの煮こごり。

今回は、食材としての評価が 概して低い
ヌマガレイを わざわざ選びました。

わざわざ ヌマガレイを選んだ動機は。
煮こごりでなければならない理由は。

・・・ ない。


実は、煮こごりなぞ、ついぞ 作ったことが
ない。

煮汁にゼラチンを添加して作成するのが
理屈上は 確実そうだけど、この方法は
受けいれかねる。

加熱と余熱と放熱だけで、ぬまがれい
コラーゲンの抽出に取り組むことにした。


方法がよく分からないまま、調理を開始。

お頭と骨を 無造作に煮立てた後、粗放的に
冷ますという手順を 何度も繰り返す。

推移がよく分からないまま、気がつくと、
それらしいものが 鍋の底にできました。


わずかに再加熱して融かし、グラスに流し
込んだ後、お頭から取り出した頬肉を入れ、
冷蔵庫で冷やして固める。

仕上げに
3 色の薬味を添えて、やっと完成。




弾力のある ぬまがれい頬肉を
2 つも内蔵




ぬまがれいコラーゲンに、少量ずつしか
確保できない貴重な ぬまがれい頬肉を
組み合わせた ぜいたくな一品。

たぶん、この星で初めての一品。



評価
・新規性 ★★★★★
・世間でのヌマガレイの
 知名度の低さ
★★★★☆
・ヌマガレイを選んだ
 動機のなさ
★★★★☆
・作る手間 ★★★★★
・味わい ★★★★☆
 総合判定 ★★★★☆


今回も 高得点であります。

ごちそうさまでした。



Category 川魚料理・湖魚料理 Comment (0)  Track back (0)






2012 年 8 15 日(木)


チンチカカ ―― 精霊送り





独特のフォントで染め抜かれた 妙な旗を
発見。岐阜県 関市の小屋名にて。

チンチカカ。

その名を聞くだけでは、それが何なのか
まったく分からない。

だいたい、日本語かどうかも判然としない。

幸い、精霊送りと注釈があって、この辺の
お盆の祭事らしいと分かりました。





チンチカカは、明治時代に始った祭事で、
昭和
30 年頃に廃止されたけれど。

それから半世紀近くたった 平成になって、
有志の尽力で再開にこぎつけたとのこと。

毎年 お盆に 長良川の支流 津保川の川原で
送り火が焚かれているそうです。








手製の灯火具(か○ん瓶ではない)






橋を渡る松明行列




鉦や太鼓や笛の演奏とともに 松明行列が
橋を渡る。

この囃子の音が チンチカカという名称の
由来だという。

なるほど。




点火された大松明






威勢よく燃える




松明行列、大松明への点火、仕掛け花火、
打ち上げ花火と テンポ良く進行する。

正味
1 時間のシンプルでコンパクトな
内容。

雨上がりの川原で 宵の口に始まって、
ほどなく終わった 素朴な祭事。




残り火




Category 河川湖沼池塘とか Comment (0)  Track back (0)






2012 年 8 13 日(月)


枕・漱 ―― アユ





極東の島国の夜の川。

淵の底の石に寄りかかって じっとしている
アユを発見。

絶えず落ち着きなく泳ぎ回っている昼間と
まったく異なる様子。

懐中電灯で照らしても まったく動かない。

目は開いているけれど、眠っているらしい。


昼間は、石の表面の藻類を食んでいるアユ。
その姿は、石で漱いでいるようにも見える。

石に漱ぐと対になるのは、流れに枕だけど。

石に寄りかかって眠る このアユの姿は、
流れに枕しよりも、石に枕しがふさわしいと
思わせる。


石に枕し 石に漱ぐ魚。


相変わらず、眠り続けるアユ。

思わず 手を伸ばして さわってみた。

気の毒なことに、文字通り 飛び起きて、
ものすごい勢いで逃げていきました。

ごめん。



Category いきもの Comment (0)  Track back (0)






2012  8 8 日(水)


快作 ―― かじかなめこおろし
  茶うどん
鰍料理 カジカ料理




かじか なめこ おろし 茶うどん。

山河の食材を取り合わせた 冷やしうどん。
かじかの甘露煮を
2 個体も搭載しました。


元々は、茶そばにする予定だったのだけど。

肝心の茶そばが あちこち 探し回っても
見つからなかった。

どういうわけか 茶うどんが見つかって、
代わりに採用した次第。


・・・ その茶うどんで 粛々と調理を進める。

材料の準備が無計画なだったわりには、
まあまあの出来映えになりました。

甘辛く炊き上がった かじかと 3 つの薬味が
ほどよく調和して 好ましい一品。


評価
・新規性 ★★★★★
・計画性のなさ ★★★★☆
・素朴さ ★★★★☆
・甘露煮の出来 ★★★★☆
・味わい ★★★★★
 総合判定 ★★★★☆


今回も 高得点であります。

ごちそうさまでした。



Category 川魚料理・湖魚料理 Comment (0)  Track back (0)






2012 年 8 3 日(金)


水堀 ―― 五稜郭跡





五稜郭跡。北海道の函館にて

外周に堀がある。

一昔前は、冬に結氷すると、ここは 格好の
スケート場になっていたという。

人が渡渉できるようになるのなら、冬季は
水堀の機能が発揮されないことになる。

設計・施工した当時、冬季の防御力の低下と
その対策を どう想定していたのかな。







Category 河川湖沼池塘とか Comment (0)  Track back (0)






2012  7 29 日(日)


習作 ―― びわますのにぎり寿司
ビワマス料理 琵琶鱒料理




思い立って、びわますのにぎり寿司を作る。

いつも通り、動機は ほとんど ない。


ただし、寿司をにぎる技量を有している
わけではない。


それでも、見よう見まねで、見た目を
最優先で 作ってみました。


・・・ 幸い、それらしいものが完成。


わーい。


評価
・新規性 ★★★☆☆
・動機のなさ ★★★★☆
・技量のなさ ★★★★★
・見た目 ★★★★☆
・味わい ★★★★★
 総合判定 ★★★★☆


今回も 高得点であります。

ごちそうさまでした。



Category 川魚料理・湖魚料理 Comment (0)  Track back (0)






2012 年 7 25 日(水)


アダン マラサトン アイヤジ
■■■■■■
      ―― オオサンショウウオ





オオサンショウウオ。極東の島国の川にて

この国で普段 見かける生物とは、明らかに
異なる雰囲気。

そして、その圧倒的な重量感。

あまりにも大きくて、全体が
1 枚の写真に
収まらない。

かちこちに冷凍して 振り回したら、凶器に
なりそうなほどの大きさ。


もし、悪人が 冷凍オオサンショウウオを
街頭で振り回し、人畜に危害を加えたり、
器物を損壊したりすることになれば。

それは、社会にとっても、オオサンショウ
ウオにとっても、不幸なことである。

天然記念物に指定して 捕獲を禁じることの
必要性を 自分なりに理解しました。


この思考回路は さておき。

未来永劫、オオサンショウウオを悪用する
輩が現れないようにと 強く願う次第です。














Category いきもの Comment (0)  Track back (0)






2012  7 20 日(金)


意欲作 ―― もろことおくらのスパゲティ
タモロコ料理




もろこと おくらのスパゲティ。
たぶん、タモロコ。

ジェノバには、おくらはあるとしても、
もろこがいるとは思えないけれど。

大して迷うことなく、ジェノベーゼ風の
味付けにしました。

皿は、かの ロイヤルコペンハーゲン。


汎地球的な
組み合わせによって誕生した
意欲的な一品。

そして、この星で初めての一品。たぶん。


評価
・新規性 ★★★★★
・もろこを選んだ
 理由の希薄さ
★★★★☆
・調理の際の
 意気込み
★★★☆☆
・作る手間 ★★★★☆
・味わい ★★★★☆
 総合判定 ★★★★☆


今回も 高得点であります。

ごちそうさまでした。



Category 川魚料理・湖魚料理 Comment (0)  Track back (0)






2012 年 7 15 日(日)


だれ ―― 北辺の川原





北海道の最果ての地方の川。

縁のない場所だけど、縁あって訪ねた。





川原のフキが むしり取られている。
その本数は、数十に及んでいる。

誰が こんな見苦しいことをしたのか。

ただ、山菜狩りの人が 鎌で薙いだにしては
切り口が粗い。

それから、この散らかりようからすると、
フキをここで食べていたらしい。

… わざわざ この奥地まで来て、数十本の
フキを わざわざ錆びた鎌で刈り取って、
持ち帰らずに この場で わざわざ 生で
その数十本を平らげて帰る人物が、
どうしても想像できなかった。

そもそも、人が来るような場所ではない。




川原の砂地にあった足跡




探せば探すほど、そこかしこに それらしい
ものが見つかる。

この現代日本で、まれに捕食者になり得る
大型生物の潜在的な脅威に怯えた日。




Category 河川湖沼池塘とか Comment (0)  Track back (0)






2012  7 9 日(月)


秀作 ―― どぜう丼
泥鰌料理 ドジョウ料理
どじょう丼 ドジョウ丼



どぜう丼

値上がりしている ウナギに抗うわけでは
ないけれど、ドジョウを選んだことに
動機があったわけでもない。

難しいことは考えず、炊きたてのごはんに
どじょうの蒲焼きを搭載しました。


これは、おいしい。

ウナギの価格が高騰していなくても、
夏ばてでなくても、また 食べたい。


評価
・新規性 ★★★☆☆
・動機のなさ ★★★★☆
・どじょうの
 焼き加減
★★★★★
・完成度 ★★★★★
・味わい ★★★★★
 総合判定 ★★★★☆


今回も 高得点であります。

ごちそうさまでした。



Category 川魚料理・湖魚料理 Comment (0)  Track back (0)






2012 年 7 5 日(木)


おかどんびき ―― ヒキガエル





ヒキガエル。岐阜県の長良川の支流にて。

すごい形状と彩色。

機能的には見えないデザインだし、実際に
動きは 機敏とは思えない。

それでも、見かける どの個体も 泰然とした
雰囲気を持っている。


地べたで生活する生物なのだけど。

その文字に そぐわぬながら「鷹揚」という
言葉が似合う生きものでもある。






Category いきもの Comment (0)  Track back (0)



< 古い方 2012
78 月 〜
新しい方 >





ひょうし

V

これまでの記事


V

2012

78 月 〜



< 古い方  新しい方 >




- - - - - - - - - - - - - - -


〜 ここの記事 〜


繊細
オニバス

意欲作
ぬまがれいの
煮こごり

チンチカカ
精霊送り

枕・漱
アユ

快作
かじかなめこ
おろし茶うどん
カジカ小卵型
水堀
五稜郭跡

習作
びわますの
にぎり寿司
ビワマス
アダン
マラサトン
アイヤジ
オオサンショウ
ウオ

意欲作
もろことおくらの
スパゲティ
タモロコ
だれ
北辺の川原

秀作
どぜう丼
どじょう
煮餡子屋
ヒキガエル





- - - - - - - - - - - - - - -


〜 コメント 〜


ないよ




- - - - - - - - - - - - - - -


〜 トラックバック 〜


ないってば




- - - - - - - - - - - - - - - - -

N G K S M K D
300 300 30 30 30 300 300

N G K S M K D
300 300 30 30 30 300 300
猛獣の領域 〜 極東の水辺を行く 〜