2012年5・6月


猛獣の領域 〜極東の水辺を行く〜
2012年5・6月









2012


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2012年5・6月
< 古い方  新しい方 >





2012  6 28 日(木)


煮餡子屋 ―― あまごの笹寿司
アマゴ料理




幽幻会社 煮餡子屋(にゃんこや)の新製品

「たぶん飛騨名物
 あまごの笹寿司」


「たぶん飛騨名物 あまごの笹寿司」は、
年端もゆかぬ子猫が、その柔和な肉球を
駆使して、笹の葉で あまごを優しく
包んで仕上げた 未曾有の逸品です。

とり立てて美味しいものでもないので、
大らかな気持ちでご賞味ください。


         煮餡子屋 店主敬白



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◆ たぶん飛騨名物 あまごの笹寿司

  岐阜県の未知の駅で好評発売中!
  6 個入り 780
億万










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2012 年 6 23 日(土)


「 螢川 」 50
年後 ―― いたち川





宮本 輝 氏の 芥川賞受賞作「螢川」の舞台、
いたち川。
蛍川

富山県の大山町で 常願寺川から分水され、
富山平野の水田の間を流れ、富山市街を
経て
神通川に合流する川。


「螢川」で描かれていたのは、昭和 37
1962 年)の いたち川。

今年は、ちょうど 50 年目。

流域の開発が進んだ この川で、川や生物が
当時のままで残っているはずがないし、
描かれた風景は もちろん 物語の中のもの。

それが分かっているのに わざわざ 確かめに
いくのは、無粋かとも思ったけど。

50 年後の「螢川」を見に出かけました。


「螢川」で 一行が たどり着いたであろう
あたりは、今は コンクリートで固められた
区間が 延々と続いている。

よそにもありそうな、変わりばえのない
水路にしか見えない。


それでも、「螢川」を読んで受けた印象に
近い風景を探し出して、なんとか 写真を
撮った。





写真にして切り取れば、それらしい風景に
見えるけれど。

実際には、当時はなかったであろう建物が
あちこちにできている。

川も 川沿いも、きっと 様変わりしている。


ただ、「螢川」から 半世紀という節目は、

後にも 先にも、今年だけ。

詮ないことだけど、50 後の今年も
この いたち川で
ホタルを見つけることが
できるかどうか、わざわざ 夜まで待って
確かめることにしました。

半ば、あきらめつつ。



日が暮れて、空が暗くなりきるのを待つ。

電灯が少なそうな場所を選んで、さらに
コンクリートが途切れる区間を探し出した。

あとは 歩き続けるだけ。

50 年前に 竜夫たちが歩いた道をたどり、
50 年後の この暗闇に目をこらす。





・・・ ホタルは、あっけなく 見つかった。





50 年前の「何万何十万もの螢火」には、
到底 及ばないけれど。

音を立てずに 不定形の光線を引いて飛ぶ
最初の 1 個体を見つけた際の感激は 強い。





見つけたのは、わずか 10 個体足らずの
ゲンジボタル。

個体数は少ないけれど、当時の個体群が
今も存続しているのなら うれしい。


次は 50 年後の 2062 年に 再訪できるかな。

その時、この川で、この川の個体群の
ホタルを見つけることができるかな。


ホタルも カワニナも、放流ものが混じる
ことなく 存続してほしい。

ホタルも カワニナも、よそから 持って
きたのを 放流しなさるなよ。

もう、放流が評価される時代ではないし、
放流したことを自慢できる時代でもない。



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2012  6 18 日(月)


試作 ―― 小鮒と茶豆の炊き込みごはん
フナ料理 鮒料理 ギンブナ料理




小鮒と茶豆の炊き込みごはん

初々しい小鮒と 越後名産の茶豆を
ふんだんに使用しました。


薄茶の光沢を帯びた 若草色の茶豆。

マーブルチョコの緑色のばっかり集めて
混ぜ込んだようにも見える。

そこに、やわらかく炊き上げられた小鮒が
累々と横たわっている。

牧歌的だけど、猟奇的にも見える一品。

でも、栄養価が高い 健康的な一品。


評価
・新規性 ★★★★★
・この組み合わせに
 した理由のなさ
★★★★☆
・炊け具合 ★★★★★
・見た目 ★★★☆☆
・味わい ★★★★☆
 総合判定 ★★★★☆


今回も 高得点であります。

ごちそうさまでした。



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2012 年 6 12 日(火)


クマモイル川 ―― オショロコマ





オショロコマ。北海道の内陸部の川の
小さな支流にて。


このあたりには、アメマスも分布している。

ただし、アメマスは 支流には少なくて、
主に 本流に生息している。

オショロコマは
最上流や支流に多くて、
アメマスの分布域とは ずれる傾向がある。

この支流でも、オショロコマがほとんどで、
アメマスは ごくわずか。





オショロコマばっかり




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2012  6 6 日(水)


野心作 ―― 鮒寿司 レアチーズタルト
ニゴロブナ料理
ふな寿司スイーツ



ふなずし レアチーズタルト。
レアチーズケーキ
注釈を添えなければ、湖魚料理と
分からない 湖魚料理。

八百万の神々の中に 湖魚料理の神様や
洋菓子の神様がいたら、双方に 強く
叱責されそうな一品。

レアチーズタルトと名乗っているけれど、
実は、チーズは 少しも入れていない。

その代わりに、いな、代わりになるのか
どうか 疑わしいけれど、琵琶湖名産の
発酵食品である 鮒寿司を使用しました。

総重量の半分は、鮒寿司の「飯」という
野心的な一品。




鮒寿司と飯




鮒寿司とは、長期間の発酵の末に、原材料の
ニゴロブナが変わり果てた姿になったもの。

今回は、それを もっと 変わり果てた姿に
することにしました。

相も変わらず、大した動機はありません。

鮒寿司の飯に 生クリームやグラニュー糖を
ハンドミキサーで 容赦なく混ぜ込む。

鮒寿司の本体も、ひと切れだけだけど、
思いきって 混ぜ込む。




ある意味、攻撃的布陣




そうそう、この日のために、わざわざ
ハンドミキサーを買い求めてきました。

初めての調理で、ふなずし レアチーズ
タルトを作らされる ハンドミキサーは、
まず あるまい。

湖魚料理の神様や洋菓子の神様だけでなく、
調理家電の神様にも 叱責されそう。


取り返しのつかないことをしている。

ハンドミキサーを握りしめて、不均一で
鈍い音を立てて裂かれ混ざってゆく材料を
見つめながら、そう 思った。

ハンドミキサーもまた 凶刃になりうる。

でも、もう 後戻りはできない。




鮒寿司という変わり果てた姿のニゴロブナを
これから もっと 変わり果てた姿にする




この調理に失敗して、著しく不味なものが
出来上がって、材料を無駄にするような
ことになろうものなら。

閻魔さまは、新機軸の懲罰スポットとして
ハンドミキサー地獄を導入して、あの世で
断罪の日を待っているに違いない。

でも、もう 後戻りはできない。


混せ合わせた材料を タルトに流し込んで、
冷蔵庫で冷やす。

それで、あっけなく 完成。



・・・ 恐る恐る 味見する。

意外なことに、堅実な味!

店屋物ではなく、素人の手作り レアチーズ
タルトとしてなら、容認できる水準。
スイーツ レアチーズケーキ



ふなずし レアチーズタルト (世紀末アレンジ)




ただし、重量比は小さいものの、この中に
本当に ニゴロブナが入っている。

そう言われても、この中に 魚肉が入って
いることは、まるで 分からない。

鮒寿司嫌いの人々を だまし討ちにする際に
有用な一品。


評価
・新規性 ★★★★☆
・湖魚料理
 らしくなさ
★★★★★
・調理中の不安感 ★★★★★
・作る手間 ★★★★★
・味わい ★★★★☆
 総合判定 ★★★★☆


今回も 高得点であります。

ごちそうさまでした。



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2012 年 6 1 日(金)


アリア
 ワセノイロ ニア ワセル
 ―― カジカ大卵型





川底の石。

ぱっと見た目は、誰も 単に石が転がって
いるとしか思わない。


上の写真の中には、カジカ大卵型がいる。

流れ続ける水面のせいで、水上からは
その姿は なかなか見えないけれど。

写真を何枚も撮ってみて、そこに 魚が
いることが ようやく分かった。

そして、川底の色に よくなじんでいる
様子が ようやく分かった。

それまで、なじんでいることにすら、
気がつかなかったのだ。





周囲の石から 面相筆で少量ずつ採色して
塗装してできたような魚。

この個体の体色は、周囲の石の色だけで
ほぼ すべて 構成できている。

文字通りの迷彩色。

流れ続ける水面越しに 見定めるのは、
難しい。

こんな体色が なんで実現できるのかな。


あり合わせのもので済ませるというのは、
味気ないものと思われることがあるけれど。

あり合わせの色に 合わせることができると
いうのは、並大抵のことではないと思う。



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2012  5 30 日(水)


習作 ―― さつきますとあずき菜のピザ
サツキマス料理 皐月鱒料理




さつきますと あずき菜のピザ。

ピザにのっける葉っぱというと、バジルが
一般的だけど。

そのバジルを あえて採用せず、ローカルな
山菜である“あずき菜”を搭載しました。


あずき菜と呼ばれる山菜は、ふたつある。

ひとつは、北海道のユキザサ。
もうひとつは、岐阜県のナンテンハギ。

今回のピザに搭載したのは、岐阜県の
あずき菜である ナンテンハギ。

さくらますのピザを作る機会があれば、
その時は、北海道の あずき菜である
ユキザサを搭載したい


評価
・新規性 ★★★★★
・ピザにした
 理由のなさ
★★★★☆
・作る手間 ★★★★★
・いろどり ★★★★☆
・味わい ★★★★☆
 総合判定 ★★★★☆


今回も 高得点であります。

ごちそうさまでした。



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2012 年 5 20 日(日)


残った景色 と 残らなかった景色
 ―― タウシュベツ川橋梁





タウシュベツ川橋梁。
北海道 十勝の上士幌にて。

十勝川水系音更川の支流 タウシュベツ川に
架けられた旧国鉄 士幌線の橋。

糠平ダム湖の水位が上がると 水没する橋。


糠平ダムが造られる前は、周囲は
鬱蒼とした森林だったという。

今は ダムの水位変動で、水底になったり、
干上がったりするだけの裸地。

ぼろぼろの廃橋と 草木のない地面とが、
なんだか 異様な景色を作っている。

人けが乏しいけれど、これは 人間が
何度も手を加えて作った景色。





人々をひき付ける景色ではある。

でも、見たかったのは この景色ではない。

ダムが造られる前の、それから、この橋が
架けられる前の 川や森が見たかった。






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2012  5 15 日(火)


佳作 ―― 小鮎とこしあぶらの
   混ぜごはん
アユ料理 鮎料理




小鮎と こしあぶらの混ぜごはん。
旬の食材の組み合わせ。

アユは、甘辛く炊いたのを ぶつ切り。

コシアブラの新芽は、軽く湯がいてから
刻んでおく。

あとは、炊きたてのごはんに混ぜて完成。


季節感あふれる一品。

小鮎の甘辛さと こしあぶらの風味が
相まって好ましい。


評価
・新規性 ★★★★★
・炊き加減 ★★★★☆
・素朴さ ★★★★★
・季節感 ★★★★☆
・味わい ★★★★☆
 総合判定 ★★★★☆


今回も 高得点であります。

ごちそうさまでした。



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2012 年 5 7 日(月)


あいすごびい ―― シロウオ





海から川へ 産卵のために遡上してきた
シロウオ

極東の島国の小さな川にて。





この川には、河口のすぐ近くに堰堤がある。

シロウオが遡上して 産卵できる範囲は、
河口から
100 m 足らず。

ただでさえ 小さな川なのに、産卵場所が
この 100 m の区間に限られている。



図鑑によれば、水がきれいで 伏流水の
豊かな川に遡上するとのことだけど。

ここは、水は濁っているし、伏流水が
豊富とは思えない川。

何かと条件が悪いけれど、毎年 どうにか
こうにか 遡上・産卵して、やっと 個体群が
存続している状態。


ただし、一番の脅威は、河口でシロウオを
待ち伏せして 網で捕ってゆく人間。

こういう条件の悪い川では、魚の捕獲を
自粛しなければなりません。

ほんの少し捕ったくらいでも、乱獲に
なりかねない。




笑っているように見えるけど、たぶん 必死




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2012  5 3 日(木)


試作 ―― やまめとパイナップルのソテー
ヤマメ料理




やまめとパイナップルのソテー。
地産地消の流れに逆らう 試行的な一品。


ヤマメは冷水性の魚。

そのヤマメが分布する地方では、到底、
パイナップルなんか栽培できない。


でも、パイナップルの缶詰があるからこそ
実現した一品。


きっと、当のヤマメも パイナップルも、
いっしょに焼かれることになるとは
思いもよらなかったに違いない。

それでも、さすがは ヤマメ。

意外なことに、パイナップルとも合う。


評価
・新規性 ★★★★★
・動機のなさ ★★★★★
・調理の際の
 意気込み
★★★★☆
・川魚料理
 らしくなさ
★★★★☆
・味わい ★★★★☆
 総合判定 ★★★★☆


今回も 高得点であります。

ごちそうさまでした。



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